ホテルアイコンのサステナビリティー2022
ホテルアイコンは、2011年の開業以来、さまざまな物事を適切な方法で進めたいと考えてきました。そのような意欲的な目標を大きく育てながら、本当の意味で健全なホテルとレストラン企業の構築に力を注ぎ、最も配慮が必要だと考えることを優先しながら、誰もが成功できることを示してきました。当ホテルでいえば、電気自動車(EV)の活用、ペットボトルの削減、太陽光エネルギー、再生農業、大気中の二酸化炭素排出量の相殺と削減につながる牧草地の適切な管理、持続可能な漁業、地産地消・旬産旬消などが挙げられます。
ホテルアイコンは、2021年度のトリップアドバイザーの「トラベラーズチョイス ベスト・オブ・ザ・ベスト・アワード」において、特に実務とサステナビリティーの面でお客様から高い評価を受け、アジアでNo. 20のホテルに選出されました。
例えば、「私は客室に非常に満足しています(手書きのウェルカムメッセージ、無料のミニバー、飲料水、快適なチェア、サステナブルな素材など)」(2021年8月、Paolo Z様によるトリップアドバイザーへの投稿)
2021年11月にスコットランドのグラスゴーで開催されたCOP26を受けて、ホテルアイコンでのサステナビリティーとその計画について、詳しく紹介したいと思います。
これまでのあまりご紹介してきませんでしたが、私たちは長い間地道にサステナビリティーの実現に取り組んできました。例えば、コーヒーカプセルのリサイクル、EVの積極的な活用、レシピのアイデアに取り組んでいるほか、全ての生ごみを嫌気性消化処理してバイオガスや水にしたり、フライヤーで使用した食用油を乗り物の動力に再利用したりしています。また、客室の飲料水用の蛇口にはフィルターを設置し、バスルームではアメニティを壁掛け式にすることで、2019年から推定で通算69万8,000本分のペットボトルを節約しています。さらに自然光を活用すると同時に、機械室の冷却設備に変速駆動の給水ポンプと、各所にモーションセンサー付きLEDライトを導入し、年間105万kWhの節電を見込んでいます。CO2e(二酸化炭素換算)で7,000トン相当を削減しています(1年で35万本の樹木の成長に相当)。とはいえ、これらの取り組みには、さらなる議論が必要でしょう。
今年、「ザ・マーケット」の全ての電力を、グリーンエネルギーであるソーラーパネルからの供給に移行しました。ソーラーパネルは、垂直庭園(緑化壁)への電力供給のために、2019年にすでに導入しており、ガソリン車に換算して年間165台分の削減、樹木に換算して年間1万6,000本分の植樹に相当する二酸化炭素削減に貢献しています。
そして2022年、カーボンニュートラルにさらに50%近づくよう、ホテルのカーボンフットプリントを最小限に抑え、相殺する取り組みを進めるとともに、2030年までに「ネットゼロ企業」(さらにカーボンニュートラルを超える基準)になることを目標に、国連が支援する「Race to Zero」に署名を行ったことをお伝えできること誇りに思います。またすでに、Hong Kong Polytechnic University(PolyU、香港理工大学)のパートナーと共同で、ゼロカーボンフロア(CO2排出実質ゼロの階)やゼロカーボンルーム(客室)の試みも進めています。
今年は、当ホテルのマネージャー100人に、カーボンリテラシー(CO2排出に関する理解力・判断力)に関するトレーニングを実施する予定です。また当ホテルの各レストランに「グリーンチーム」(環境保全チーム)を設置して、スタッフ全員がCO2排出や廃棄物、生ごみの削減にいっそう取り組み、企業やサプライチェーン全体が、程度の多少は問わず少しでも上を目指せるよう、努力を続けてまいります。
また、現在の環境に優しい当ホテルの文化や取り組みから、さらに次のステップに進むために、サステナブルな従業員のユニフォームのソリューションを提供するInfinity Innovationとパートナーシップを締結したことをお知らせいたします。このパートナーシップを通じ、次の2つの重要な領域において、世界的な二酸化炭素排出量の削減を継続していきます。
環境に優しい素材 :2022年を迎えたのを機に、既存のユニフォームから、リサイクル素材として認証を受けた素材や、ペットボトルをリサイクルしたと認証を受けた素材を含んだユニフォームに変更することを目標にします。一般的なポリエステルの代わりにリサイクルポリエステルを使用することで、製造工程のCO2排出量削減につながり、環境保全に貢献できるだけでなく、電力や水の消費も大幅に抑制できるので、これもCO2排出量の大幅な削減につながります。
エコに利用できるテクノロジー:当ホテルは、今日存在するサステナビリティーに関する課題を360度の視点で捉え、競争力の強みとしてサステナビリティーを構築していきます。当ホテルに必要なことを行うだけで、廃棄物ゼロに貢献できることもあります。このようなテクノロジーは、開発、生産、応用、補充を通して良い影響をもたらし、有益なソリューションを実現します。
このような取り組みは、サステナブルな素材、環境負荷の低い生産方法、循環型のシェアリングエコノミー(共有経済)への投資を促進することにつながります。今後も、当ホテルをご利用いただくビジネスやコミュニティーを支えていくと同時に、環境に対する影響を最小限に抑えることを目指していきます。
当ホテルは、このようなプロジェクトに大きな期待を抱いています。なぜなら、ただ順調に進めることに満足するのではなく、積極的に良いことを行いたいと考えているからです。
そのような意味で、ホテルアイコンは、特別な目的を持ったホテルといえるでしょう。当ホテルは、単に教育のためだけでなく、イノベーションを生かした運営、責任感のある運営、お客様に配慮できる運営、さらにそれ以上の進化をコミットしてきました。できるだけ良い料理を提供する、働く誰もが楽しく自分の仕事をするなど、当ホテルは、自ら誇りに思える模範的なホテルとしてビジネスを展開することを追求してきました。当ホテルをご利用いただくことで、皆様も、私たちの取り組みに参加いただくことを誇りに思っていただければ幸いです。
ホテルアイコン
元総支配人
リチャード・ハッター